第7回 「版画の価値について」
いつもこのコラムを見ていただきましてありがとうございます!
これまで掲げた画家の作品の中で、好きなタイプの絵は見つかりましたか?
私たちプロのアドバイザーから見て今一番、売れている作家を紹介していますが、C.R.ラッセンをはじめすべての作品は『版画・はんが』という技法の絵です。
『版画』の種類は木版画、リトグラフ、シルクスクリーン、ジクレー、エッチングなど何十種類もの制作方法があります。

画家みずから描く作品は油絵、アクリル画、水彩画、パステル画、デッサン画といった“肉筆画”もしくは“オリジナル原画”と呼ばれ、世界でたった1枚しかない絵となります。
もちろんコレクターにとってこうした“原画”を持てればどんなによいでしょう。
だけど作品によっては、ウン千万円、ウン百万という値段が付いていて誰でも簡単に買えるという訳にはいきません。
1枚の原画を元に、版画を制作し枚数を確保することで値段を安くすることができ、誰もが買い易くしたのでアートが家庭やオフィスに普及していったということでしょう。

版画の発祥は15世紀ごろの西欧でイエスやマリア像を複製したのが始まりで、日本での歴史は江戸時代の浮世絵(木版画)が発祥。ご存知“北斎”や“写楽”です。まだ写真も印刷術もない時代に江戸町人の間から美人画や風俗画が流行しました。今でいうテレビのワイドショー、スポーツ新聞の芸能スクープのはしりですね。
ちょっと遡り過ぎましたが、芸術作品として位置付けられ販売されるようになったのが19世紀に入ってから。現在のように個人で買って家に飾り始めたのが1970年代にフランスの販売会社がリトグラフ版画を企画・展示して販売するようになってからです。

アートアンドシーが扱う絵の多くは、このようなシルクスクリーン版画です。
版画は、同じ絵が複数枚あります。ただし“限定版”と言ってひとつの作品に付き限られた枚数のみ制作されます。「これ以上の枚数ないですよ。」という意味で1枚1枚にエディション・ナンバーが絵の下端に鉛筆かペンで書き入れてあります。
たとえば、[“31/250”]……250枚現定数で31枚目という意味です。それぞれ番号が違うのでオリジナル性が発生するのです。もちろん250枚の絵全てに画家本人がサインをしています。
このような理由で版画を買うお客様は希少価値のある芸術作品を持ってるという自信があるのです。私たちも、絵を買ってくださるお客様が楽しそうに話すのをみてると、「ほんとに好きなんだなぁ」と画商冥利につきます。
ただし、皆さん最初の1枚を買うときは清水の舞台から飛び降りるくらいの気持ちで、長い時間悩みますが最後は自分で決心します。
私たちは絵のある生活がどんなに心を和ませてくれるか、判ってもらいたい一心で紹介しています。
私も仕事柄、行く先々でたとえば、友人や親戚のお宅を訪問したり、あるいはレストランやホテルなどに入ると、最初にぐるりと周りの壁をみてしまうんです。絵が飾ってあるかな〜?と。
絵の持つ雰囲気、例えばエレガントな絵、カラフルな絵、ほのぼのした絵、幾何学的な絵、様々な画風がありますが、絵の好みでそこに居る人の人柄が伝わってきます。

今回も新しい作家を紹介しましょう。
アイバンドアール(Eyvind Earle)
1916年NY生まれ。2000年7月に84歳で死去。
アメリカのメトロポリタン美術館が永久保存作品として購入。1951年、挿絵画家としてウォルト・ディズニースタジオに勤務し、名作“眠れる森の美女”の背景、彩色などの制作に参加しています。
神秘的な風景画が多く、幻想的で妖精が住んでいそうな山、森、木々、霧などの自然が原色で彩られた色使いは独特の雰囲気を醸し出します.。インパクトが強く一度見たら忘れられないでしょう。


「マイ・ソウル」

 (c)EYVIND EARLE
 
「エンチャント・フォレスト」

 (c)EYVINDEARLE
 
「エンシェント・ツリー」

 (c)EYVIND EARLE
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