第9回 「夏にむけて〜南の島発」
日本人はとても芸術品が大好きな国民であると常々思います。先日もブリヂストン美術館で開催されたルノワール展を観ようと何百人もの人が列をなしていました。バーンズコレクション展、オルセー美術展など、過去の大美術展では入場者数100万人を突破することもありました。
確かにパリに旅行することなく、日本で美術の教科書に載っている世界的に有名な美術品が鑑賞できるのですから見逃す手はないでしょう。日常の家事や仕事から開放され、鑑賞している間はゆったりと優雅な気分が味わえるものです。
ちょっと話は一気にパリから南の島へ飛びますが、こんな絵を見つけました。最近、NHK朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」が気に入って毎日見ています。沖縄の俳優を起用しているのでセリフのイントネーションが違うので観ていてちょっと気恥ずかしさがあり、まさか全国放送で沖縄のお国言葉を耳にするとは思ってもみませんでした。
地方から都会に出てくると自分の話し方が違う事に気づき、都会に慣れようと言葉使いをアレンジしてしまいます。
でもこの機会に結構、田舎もイイカナ?と感じてきました。という訳で、これから夏本番!オキナワに旅行される方々も多いのではないかと思って、沖縄の画家を取上げてみました。

今まで紹介した作家は全国的に有名なアーティストばかりでしたが、ちょっとローカル調に沖縄の版画家“名嘉睦念(なか・ぼくねん)”というアーティストを紹介しましょう。
1953年、沖縄・伊是名島生まれ。
昨年2月テレビ放映されたNHK「課外授業・ようこそ先輩 」という番組に出演されているのを観たのですが、とてもユーモアたっぷりでおおらかで大変魅力的な人でした。
故郷の母校の後輩小学生たちを相手に自分の時代と対比させながらその不思議で魅力的な版画制作を通して授業が行われました。彼の描く作風は、棟方志功の絵を思わせる力強いタッチで彫り上げられた木版画が中心です。黒い縁取りを基調とした素朴な作品ですが、色鮮やかに手彩色を施してあるので繊細かつ自由でダイナミックな絵柄です。「裏手彩色」という版画技法を使っています。
また、驚くべき事に彼は下絵を描かないで直接、板に彫刻刀をいれていくそうです。
作品が完成するまでどんな絵が出来上るのかわからないそうです。情熱の趣くまま無心に版木に向かいかなりのスピードで彫り上げていくのです。その版木に黒インクを馴染ませて月桃紙(植物から作った紙)に刷り、裏返してアクリル絵具で彩色をします。なぜ裏から色をつけるかというと表面の黒い縁取りを残すためです。
沖縄の自然をテーマに作品を作っています。島の中で視る、聞く、触れる、嗅ぐと言う連関的行為が、やがてグラフィックデザインという表現に巡り合い、そしてイラストレーション、シルクスクリーン、レリーフ、立体、石版、木版と多様な表現領域に達する。「自然は人を癒し、蘇生させるダイナミックな力を秘めているから」と言います。

公式な仕事としては、昨年開催された九州・沖縄サミットのポストカードの原画を製作。1997年、地球温暖化防止京都会議の為の郵便記念切手とポスターの原画を制作 。2001年公開予定の龍村仁監督のドキュメンタリー映画「ガイアシンフォニー(地球交響曲第4番)」に登場する予定。

テレビ東京「たけしの誰でもピカソ」で睦念さんを取材・放映されるようです。残念ながらいつオンエアになるかわかりませので注意してテレビの番組欄をチェックして下さい。
または直接作品を観たい、お話したい方は、東京と沖縄の2ヵ所にギャラリーがあるので観に行くのも良いかもしれません。詳しくは下記の公式サイトまで。
「ボクネンズワールド」を満喫できると思います。
http://www.bokunen.com/index-j.shtml
  


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