このジャンルのTOP 次のページ
第1回:温泉とは(1)
私が温泉に対し、深く傾倒するようになったきっかけはテレビチャンピオンと言う番組で温泉通になってからです。このテレビ企画で優勝するには最後の決勝でお湯当て(利き湯)に正解しなくてはなりません。
優勝するために、温泉の個性については充分に研究しています。泉質に対して深く観察するために色、味覚、匂いを観察し、次に源泉の使われ方に注意をはらうことをして、全国各地の温泉の特徴を詳細に記録してきました。連覇できたのも以前からのこれらの作業の結果であったと思っています。

温泉の個性に対し注目し繊細に観察して温泉を回ってきたことで、私は温泉の素晴らしさが日を追う毎に深まり、趣味としてますます楽しくなってきています。また温泉の奥深い世界に畏敬したりもします。そして温泉の個性の複雑さに感動し、漫然と入浴するよりも五感をフルに活動させて観察するほうが数倍も私を熱中させてくれる結果となっています。

温泉についてこれから連載をしていく上で、まず最初に温泉とは何かを書きたいと思います。温泉は定義があって25度以上の湧水または25度以下であっても規定成分を一定量以上含むものです。それで25度以下のものを鉱泉とも呼びますが、温泉と呼んでも構わないわけです。
また高温で湧出するガスも含みます。これは造成泉と呼ばれています。よってほとんど成分を含有していなくとも25度以上で温泉となるわけです。
この知識はどの本でも序論で書かれているのでご存知の方は多いと思います。

さて、温泉の個性に対して注目して入浴することをお勧めしていますが、それにはどんなことをするのかを解説します。
まず知覚的特徴の観察です。色、味、匂い体感の4点が大きなものです。
次に使われ方です。最後に分析表との化学的検証となります。

それぞれどのような個性があるかというと、色については透明、白濁、赤、褐色,緑、黒、青、オレンジ(赤褐色)などがあります。また味覚については酸味、炭酸味、塩味、甘味、苦味、薬味などがありこれによって温泉の個性の重要な部分を把握することができます。しかし味については以上のものが微妙に交錯したものがほとんどでその判別は大きな楽しみの一つとなっています。
次に匂いについてですが、一般的には温泉の匂いは硫化水素(硫黄)臭でしょうが、この外にも油臭、金気臭、刺激臭、焦げ臭、など微妙な匂いがいろいろあります。

全国には約4000の温泉地があり、3万弱の源泉がありますが、源泉の個性は以上3種類の知覚的特徴を複雑に交錯させており、その系統づけは私にとってライフワークとなっています。
さて温泉に入浴すると無味から強酸味、透明から赤褐色までさまざまですが、大切なのは温泉の新鮮さです。それは源泉の量と使い方によって大きく変化します。
湯を観察する上で、いろいろな個性を感じるのと同列に新鮮さを見極めることが重要です。特に二酸化炭素の泡付きや硫化水素臭、金気臭などの匂いは時間と共に放出されてしまいますので、匂い立つような新鮮な湯に巡り
あった時は感激します。以上の個性が無い湯でも良いものかどうかは、すぐ理解できます。湯が源泉に近く掛け流し(使い捨て)になっている温泉は新鮮です。

これらの観察の結果、分析表との確認をしてみることを続けていると最初は「こんな組成になっていたのか」と理解していたのも逆に「こんな含有量ではないか?」と推測できるようになります。私は現在、温泉での楽しみの最も大きな面を占めるのはこの推測です。
このジャンルのTOP 次のページ