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第10回: 東海、静岡の温泉

1 伊豆山温泉 浜浴場 

  伊豆半島の東岸には熱海、伊東、北川、熱川など温泉が数多くあり、大温熱地帯となっている。温泉の泉質は半島の付け根が最も濃厚で先端に行くに従ってマイルドになり、再び一番先端の下加茂で濃くなるという推移を示している。熱海でも駅前が一番濃厚で南に行くに従って同じ変化である。ここ伊豆山温泉は半島の付け根で濃厚なカルシウムの効いた食塩泉が湧いている。珍しいのはナトリウムよりもカルシウムの方が多く主成分になっている点で、塩化土類泉と称される。
伊豆山は急斜面の地で敷地が少ないところである。そのため海の展望が美しく高級宿が並び静かな雰囲気である。そのなかでこの共同湯は貴重で伊豆山特有の苦い食塩泉が入っている。都心から近い割に良い湯に入れる穴場である。

   


2 箱根蛸川温泉  箱根プリンスホテル

 箱根16湯と言われているがここ蛸川などが湧出して箱根20湯となった。一番新興の蛸川温泉は箱根の核心部、最も風光明媚な芦ノ湖湖畔に湧出し才色兼備のぜいたくなものである。入浴できるのは箱根プリンスホテルの露天風呂で湖面とほぼ同じレベルにある露天風呂は芦ノ湖の眺めがたいへん秀逸である。すぐ近くに湖面が存在し、遊覧船の往来を見ながらの入浴は優雅なひとときとなるでしょう。背景の対岸には人工物が全く無い緑一色の斜面で美しい。湯はしっかりとした石膏泉で透明ながら苦味と焦げ臭がするよいもので納得である。

   


3 赤石温泉  白樺荘     

 静岡県は海のイメージがあるが、ここ赤石温泉は日本でも最も深い山奥の一つであろう。大井川の最奥部で、延々とタイトコーナーを越えていく。
観光地というよりも、自然の荒々しさが遥かに勝った山岳という雰囲気を持っている。しかしここが静岡市内というのは信じがたい。遥々と僻遠の地であるが湯はそれを補って余りある素晴らしさである。トロミのある硫黄泉で38.2度である。総計702のうちつるつるの主成分であるCO3が54.7と多く含有され、硫化水素も12.7と多い。その硫黄臭と入浴時のつるつる感覚でたいへん存在感があり入浴の満足度は日本でも屈指の高さであろうと確信する。湯は弱く緑色になり浴槽は掛け流し利用されている。

 


4 湯ノ山温泉 クアヒルズ湯ノ山

 古くからの名湯、湯ノ山温泉の裾野に良い湯がある。露天風呂のみの施設で無料開放されている。簡素なものであるが湯量豊富で良い物である。源泉湧出パイプから出た湯が多量で比較的大きな浴槽から溢れ出た湯はU字側溝に流れ出て小川のようになる様は壮観である。単純泉であろうが大湯量で激しい掛け流しによる新鮮さが極まりないので、硫黄臭がかなりする。匂い立つというのはこう言う物を指すといった感じである。湧出直後の硫黄臭のようなものは分析では非常に難しく数値的にはほんの微量かゼロに近い物であろう。また源泉中に含まれる気体成分による身体への(特に産毛にであるが)気泡の付着があり入浴をさらに楽しい物にしている。
   



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