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第13回: 中国の温泉

1 三朝温泉  木屋旅館 

 三朝温泉は放射能泉でラドン含有量が25度以上の温泉では日本1である。世界ではイタリアのラコアメノ59.7度、ギリシャのイカリア50.4度に続き3位である。ちなみに冷泉も含む記録によると日本1は池田ラジウム5号泉18度が6460マッヘである。三朝温泉の 旅館街のほぼ中央に木屋旅館という宿がある。ここに足元湧出の天然自噴風呂が有り、素掘りの穴に石の敷板が敷いてありその隙間からどんどん湧出し溢れ出ている。藍染めの宿としていて木造のおしゃれな宿である。木造3階で部屋ごとに意匠が違い、どれも数寄を凝らした造りでこれこそ日本の宿といった感じである。三朝温泉では老舗の大橋とならぶ良い宿であった。


  


2 .出雲湯村温泉  漆仁湯、河原露天風呂

 出雲湯村温泉は、小さな木造の共同湯とほかに温泉宿が数軒あるのみのひなびた静かな温泉地である。共同湯は漆仁湯といって地下に地元浴場があり、外来用は1階である。透明、無味、無臭の清澄な湯が豊富に掛け流され良い。真賀温泉や奥津温泉を思い出す湯である。隣の温泉宿の「湯の上荘」は内湯がなくこの漆仁湯に入る。宿の前にある萱葺きの休憩所の風情が文化財的な良さだ。宿が古いままこの状態で残っているのは貴重である。近々泊まりで来たいものだ。河原の露天風呂は100メートルほど上流にある。川の中の砂地に足元湧出している温泉で、36度ほどのものである。温泉というよりも子供の水遊びに最適といったもので、川の中に大きな石組み浴槽が2箇所ある。


    

 


3 赤来町温泉  母子健康センター

 島根県の赤来町は、三次と松江を結ぶ出雲神話街道の途中にある小さな町であるが、含重曹炭酸泉の個性的な湯が湧出している。分析表はなかったが近くの廃業した近くの加田温泉の分析表があった。観察ではほぼ同系と判断した。泉質は驚きの良い物である。総計5717の含炭酸重曹泉で CO2 2194 Fe 6.2 ほかは主に重曹である。食塩が少なくやはり濃厚な池田ラジウム温泉、小林鉱泉とは違い塩味がない。乳白濁で、炭酸味+甘い薬味+微塩味、無臭。炭酸が多量である。蒸気で加熱しかつ源泉足し放題の個性を損なわない最も良い方式。
 浴槽は鹿児島の中津川温泉や津軽湯ノ沢温泉のように白い石膏で陶器のようにコーテングされている。河原に源泉がありそちらに行くと浴槽の白濁と違い真っ赤に染まり流れ放しになっていた。。施設の人によると色は変わることが多く茶色から白濁までかわるとのこと。

  


4. 般若寺温泉 

 岡山から奥津温泉の平野に出る前に奥津峡の谷を通過するが、そこに般若寺温泉と大釣温泉が湧出している。風光明媚な景色と温泉で恵まれた土地である。
 般若寺温泉は1軒宿で、藁葺き屋根の母屋はかなりひなびているが美しく使われている。日帰り入浴はしていないので、以前入浴を断られたのは8年ほど前であった。 今回念願の入浴ができた。宿は離れの3室のみでどの部屋の意匠も違っていて良い。浴室は良く手入れされている。内湯は39度で露天は42から43度で奥津温泉と同系の透明、無味、無臭の清澄なものである。天然岩の露出 している内湯も素晴らしいが、露天はさらに素晴らしい。淵に面していてエメラルドグリーンの川面をみながら入浴できる、ちょうど紅葉の時期で、渓谷の絶景の地に位置していてたいへん素晴らしい環境である。で、湯に入りながら写真を撮影した。                       



5.  千代田温泉

 広島県は海沿いの強食塩泉のほかは放射能泉が多く、個性の少ない県であるがこの千代田温泉は個性的だ。 以前休業日で入れなかったので今回初めての温泉である。 放射能泉 17度 31.9ME 陽イオン49.5 陰イオン 146  CO2 132.1 総計361という薄い物で期待しないで入るがなかなか分析表以上の個性を発揮していて好感した。加熱だが源泉も足せる。黄色褐色(30センチ)、 渋味、土類臭ありというもので0.9mgの鉄イオンが良く出ている。


               


6 木部谷温泉 

  拙書「日本全国マル秘湯112選」で紹介した温泉。島根県の
 柿木村にあり広島県、山口県と3県の県境近くの山奥に位置する。 含炭酸土類重曹食塩泉の20度の温泉である。総計7878で
CO2 1220  Na 1750 K 48.4 Ca 354 Fe 28.7 HCO3 2310 Cl 1740などの含有量。
 ここの間欠泉の噴出をまた見たいのと、分析を調べたく再訪した。湯船は前回より析出が増え風格を増していた。 茶褐色濁り、 炭酸塩渋味、土類+鉄金気臭強しと観察した。析出物が多く二股ラジウム温泉と同じくビンの析出物による造形が売っている。 しかし間欠泉は見事なものだ。これが天然記念物にならないのが 不思議である。
                 



7. 柿木温泉(再訪)  

 
木部谷温泉と同じ柿木村にある温泉。炭酸土類重曹食塩泉 総計6869 ずいぶん以前に入浴したので記憶が薄くなり、再度木部谷温泉と比べたく再訪する。成分が少ない代わりに炭酸が多く(1740)、鉄が少ない(12.8)が循環により赤みが強くなっている。
 しかし1740のCO2は頑張っていて抜けていない。赤褐色、炭酸味強し+弱い塩渋味、炭酸金気臭。木部谷の源泉足し放題で蒸気加熱は新鮮なので、個性を発揮する以前の状態であるが、こちらは充分に個性が出た状態と観察。同系であるがちょっと違った個性をみせるので木部谷とセットで行かれるのをお勧めする。

                


8. 柚木慈生温泉 

 
山口県の津和野の近く徳佐駅の近くに湧出する温泉。ここの驚異的なCO2 1795は加熱後もかなりの割合で含有されていて。私の経験した中でも体感清涼感は屈指のもの。Na 360 Mg 89 Ca 543 Fe 6.4という絶妙な陽イオンの配合とHCO3 1640にて私の理想とする重炭酸土類泉となっている。使い方が滑らかに加湯しているので入ったとたんに強烈な泡付きと金気臭に包まれる。緑濁り、炭酸味+薬渋味、金気+炭酸刺激臭+湯口硫黄臭 なんと硫黄も感じられる。全くの存在感あふれた良い湯であった。

    



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